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Message from the CEO 株主、投資家の皆さまへ 代表取締役会長兼社長 土井 春彦

株主・投資家の皆さまには、平素より格別のご支援を賜わり、厚く御礼を申し上げます。
当社グループを取り巻く事業環境、並びに今後の事業戦略等についてご説明いたします。

事業環境と当社グループの取り組み概要

2016年上半期(以下「当上半期」)における国内の事業環境は、景気が全般的に堅調に推移したものの円高や英国のEU離脱問題等から先行きに不透明感もあり、当社グループの各分野における主要顧客のアウトソーシング化ニーズは非常に旺盛で、業績は順調に伸長いたしました。
製造系分野では、メーカー直接雇用の期間工を当社グループが正社員で受け入れる独自のPEOスキームによる採用が、労働契約法や労働者派遣法の改正で顕在化したメーカーニーズに合致して順調に進捗し、一人当り採用コストの上昇を抑えながら派遣社員人数の大幅増加を実現しました。
技術系分野では、当社グループのエンジニアを育成するKENスクールが、顧客の通信キャリアやゼネコンと共同開発したエンジニア育成プログラムを活用して未経験者を教育し現場へ配属、配属後にさらに実践的な育成をして1年後に顧客との契約単価を上げるスキームが順調に進捗し、製造系同様に一人当り採用コストを抑制しながら、旺盛な技術者ニーズが継続するIT系や建設系等で派遣社員人数を大幅に増加いたしました。
さらに、新卒採用の強化施策も奏功し、4月には400名が入社し、2017年12月期(以下「来期」)は700名採用の見通しで、従来の中途採用のみならず、新卒者の採用・育成にも力を入れてまいります。
また、2015年12月期(以下「前期」)に立ち上げた、景気の影響を受けにくい米軍基地内施設向けサービス事業や、リーマンショック時にも業績が伸長したコンビニエンスストア業界向け事業によって、グループの業績平準化を図りながら規模を拡大する体制の強化を進めております。
海外における事業環境は、中国の景気減速に加えて米国の利上げ等により各国の景気が変調しているうえ、英国のEU離脱の国民投票結果の影響により、今後、さらに景気が減速する可能性が見込まれています。
このような環境下、当社グループでは、日本と比べれば依然として高い成長を持続しているアジア地域で給与計算代行等の各種アウトソーシング事業、また、欧州・豪州においては政府・地方自治体で進展する公務の民間委託を引き受けるサービスや、日本同様に技術者が不足するIT系の事業等、景気の影響を受けにくい分野でのアウトソーシング事業の展開を強化しており、これら事業におけるニーズが非常に旺盛であったため、順調に業容が拡大いたしました。

収益について

当社グループでは、新たに進出した地域や事業領域においても顧客ニーズに的確に対応することで業容を順調に拡大させており、前期に進出した欧州と南米における事業展開に加え、当期にグループ入りした豪州・英国・マレーシアの各企業も順調に推移し、売上高は第2四半期として7期連続で過去最高を更新いたしました。
また、費用に関しましては、会計基準の変更により、前期まではのれんに計上されていたM&Aにかかるアドバイザリー費用やデューデリジェンス費用等の337百万円が一括で発生いたしましたが、好調な業績で吸収し、営業利益と経常利益も過去最高を達成いたしました。
一方、M&Aに関する取得関連費用が連結での処理となるため、税金計算には加味されず、親会社株主に帰属する四半期純利益が大きな影響を受けました。
以上の結果、当上半期の連結売上高は57,484百万円(前年同期比59.6%増)、営業利益は1,231百万円(前年同期比31.3%増)、経常利益は1,294百万円(前年同期比29.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は302百万円(前年同期比38.2%減)となりました。

強靭な企業体質の構築に向けて

当社グループでは、既存スキームによる製造系アウトソーシング事業の成長は困難になるとの前提のもと、2015年2月、2017年度を最終年度とする3か年中期経営計画『Vision 2017:Vector to the New Paradigm』を発表いたしました。これにより、旧来型の国内製造系アウトソーシング事業から脱却し、よりグローバルな視点から市場ニーズを見直して次世代のアウトソーシング事業を見据えた成長分野・地域へのパラダイムチェンジを進めてまいりました。特に、前期から当期にかけて行ってきた海外でのM&Aを通じ、新たな産業・事業分野におけるアウトソーシング事業をグローバルに展開できる成長基盤を構築しつつあります。また、これらの積極的な投資の結果、来期の売上高計画1,300億円を1年前倒しで実現できる見込みとなりました。そのため、このたび、来期を初年度とする4か年中期経営計画『VISION 2020:新フロンティア創出への挑戦』(以下「新中計」)の策定に至りました。
新中計で目指しているのは、いかなる事業環境にも打ち克つ強靭な企業体への進化です。旧来のように、短期的な生産変動の調整弁としての派遣事業、すなわち期間社員の短期契約を繰り返す派遣事業ではなく、顧客メーカーの直接雇用による期間工(中期的契約に基づき技能を蓄積している熟練工)を当社グループの正社員として雇用し、熟練度を要する顧客メーカーの生産現場に派遣することにより、メーカーの直接雇用領域における人件費の変動費化ニーズを事業化してまいります。国内製造系アウトソーシング事業のパラダイムチェンジにより、リーマンショック規模の危機による景気悪化があったとしても、グループ全体で黒字を確保するとともに、景気回復時は景気悪化時に抱えた社員を即刻活用し、業績を即時に伸長できる強靭なグループ体制の構築を推進してまいります。
2020年度に目指す方向性は、グループ全体のEBITDA構成比率で製造系アウトソーシング事業を10%以内にし、残り90%は製造系とサイクルが異なる分野、環境変化や景気の影響を受けない分野にグローバルに事業展開することで、新たなフロンティアを創出するというものです。
株主、投資家の皆さまには、次世代の成長基盤構築をグローバルに推進する当社グループを変わらずご支援賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2016年9月